研究課題/領域番号 |
17H07042
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
石塚 壮太郎 北九州市立大学, 法学部, 准教授 (90805061)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 国家目標規定 / 国家目的 / 公法学 / 憲法 / ドイツ基本法 / 公共の福祉 / 社会国家 / 環境保護 / 比較憲法 / 文化保護 / 社会国家原理 |
研究成果の概要 |
本研究では、憲法が国家の目標を宣言することの意味として、国家目標に関わる政策の実現機能および基本権制約機能があることを明らかにした。さらに、国家目標規定と基本権との狭間にある社会権の構造を明らかにした。何が国家固有の責任領域に含まれるかを検討するに当たっては、国家学にみられる伝統的な国家の任務に関する議論を参照し、また各国の憲法実践において何が憲法上国家の課題とされうるのかを参照して検討を行った。国家目標規定論を中心に、国家の任務及び課題に関する憲法理論が整理され、制限規範としての憲法という、従来の憲法の基本コンセプトに、動因としての憲法という新しい側面が追加され、基本パラダイムが修正された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近時、憲法の教科書でも、国家目標(規定)を取り上げるものがあるが、これまで国家の目標に関する包括的な研究はなかった。ドイツ憲法学における国家目標規定のあり方を検討することで、例えば日本における社会権や環境権の議論では回収しきれない、公衆衛生や自然環境といった個人の権利に還元できない利益を国家目標規定として再構成することができるようになり、見落とされてきた論点にも光を当てることができるようになった。また、社会保障や環境保護、文化促進などを取り扱う点で、憲法のフロンティアを拡張する際にも用いることができる、ヨリ広い領分を含みうる憲法理論を構築することができた。
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