研究課題
研究活動スタート支援
骨髄異形成症候群(MDS)が放出するエクソソームが他の細胞に及ぼす影響を解明するため,MDS由来細胞株の培養上清からエクソソームを回収し他の細胞の培養液に添加後,エクソソームを取り込んだ細胞内のmiRNAおよび産生したサイトカインを測定した。健常人末梢血から分取した制御性T細胞はMDS細胞由来エクソソームを十分に取り込み,エクソソームに包含されていたmiRNAを高発現していることがわかった。また制御性T細胞培養上清中のIL-10の量が増加しており,MDS細胞由来のエクソソームは免疫機能に影響を与える可能性が示唆された。
骨髄異形成症候群(MDS)は多くの症例で遺伝子・染色体異常が見られるが,慢性に進行し最終的には骨髄性白血病へと進展する。通常ごく少量の腫瘍細胞は免疫システムにより排除されるが,このような慢性腫瘍で排除が進まない原因が不明であった。本研究により,腫瘍細胞自身が免疫システムに干渉し排除を逃れている可能性が示唆された。エクソソームを標的とした新たな創薬・診断薬の開発を目指すことで,MDSの早期診断・病態進展の抑制が期待される。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
MicroRNA
巻: 7(3) 号: 3 ページ: 195-203
10.2174/2211536607666180709143335