研究課題/領域番号 |
17H07069
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
井戸 美里 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・対照研究領域, プロジェクトPDフェロー (20802606)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | とりたて詞 / 否定極性 / 対比の「は」 / 言語学 / 日本語文法 / 統語論 / 意味論 |
研究実績の概要 |
本研究は、「だけ」「も」「なんか」などの「とりたて詞」と呼ばれる語群を組み合わせたとき、とりたて詞が否定と共起する現象を対象に、否定極性現象とは、どのような意味を持つ語を、どう組み合わせたときに起こるものなのか、その統語と意味のメカニズムを構成的に明らかにすることを目的としたものである。とりたて詞は、「…なんかは~ない」「…くらいも~ない」など、「は」や「も」が後接することをきっかけとして、否定と共起する場合があることが分かっており、本研究では、この成果に基づき以下の2つの研究にとりくんだ。 (I) 「前接要素+対比の「は」/も」の否定極性化における構成的な意味を明らかにする (II)(I)に対応する否定極性表現の統語構造を提案する 本年度の成果は以下の通りである。(I)については、とりたて詞に関連して、否定呼応を起こす副詞類に注目した。そして、否定呼応を起こす副詞には2つのタイプがあることを明らかにした。1つは、「程度が極端ではないこと」を表す、「そんなに」などの副詞であり、もう1つは「程度が低いこと」を表す「あまり」などの副詞である。そのうち前者が、対比の「は」が否定辞と共起した場合と類似した特徴があるという点に注目し、分析を進めた。 (II)については、対比の「は」が否定と共起した場合、肯定と共起した場合と統語的特徴が異なることを明らかにした。具体的には、否定文に現れた対比の「は」は、テモ節のような小さな節に埋め込み可能である一方、肯定文に現れた場合はそれが不可能であるという特徴を指摘した。先行研究においては、肯定述部と共起する対比の「は」と否定述部と共起する対比の「は」は、同等に扱われることが多かったが、本研究の成果に基づくと、対比の「は」の中には、否定辞と特別な関係を結ぶものが存在していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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