研究課題/領域番号 |
17H07075
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
芸術一般
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
安川 智子 北里大学, 一般教育部, 講師 (70535517)
|
研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 古楽復興 / ヴァグネリスム / ドビュッシスム / 和声 / ヴァンサン・ダンディ / ドビュッシー / 近代フランス音楽 / 西洋音楽史 / 音楽理論史 / ライシテ / ラモー / 19世紀フランス / 20世紀フランス |
研究成果の概要 |
19世紀後半のフランスにおける「古楽復興」には、様々な動因があるが、そこには、19世紀フランスの独特な宗教事情がからんでいると考え、スコラ・カントルムの創立に関わった作曲家ヴァンサン・ダンディを中心にその背景を探った。その結果、古楽を聴くという行為とフランスの和声との関連や、バロック・オペラの復興とヴァグネリスム/ドビュッシスムという思想的潮流との関連が明らかになり、古楽復興活動がフランスの来るべき黄金期につながる重要な活動であったこと、そしてそれに対して、宗教/世俗の境を越えた音楽教育や音楽活動を行ったダンディの貢献度がきわめて大きなものであったことが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、古楽を「聴く」という聴覚の問題が近代フランス音楽の新しい和声へと道を開いた可能性を、当時の音楽批評や理論書、時代背景の考察を通じて提示し、音楽雑誌に集う人脈を整理することで、新しい音楽的・思想的潮流がいかに生まれたかを考察した。 古楽復興という題材は、20世紀に古楽演奏が流行を極め、また現在その流行が(当たり前になったという意味で)下火になっていることから、多くの問題解決を必要とする現代的なテーマである。バロック・オペラの復興と、その重要な役割を担ったフランスの作曲家ダンディについての本研究は、これまで見落とされてきた古楽復興の背景を明らかにした点で、意義があったと考える。
|