研究課題/領域番号 |
17H07084
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金融・ファイナンス
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 祐己 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 准教授 (80365478)
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研究協力者 |
トマ ラルーカ
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金融市場 / 資産価格 / バブル / 脆弱性 / エージェンシー問題 / 評判 / 金融資本市場 / 機関投資家 / 金融論 / 経済理論 |
研究成果の概要 |
本研究では、投資ファンド等の機関投資家の台頭が金融資産価格に与える影響について理論的に考察した。プロジェクト1では、将来他社に引き抜かれる可能性のあるファンドマネジャーたちが自らのスキルに関する評判(reputation)を気にすると仮定したモデルを構築し、彼らが“見栄張り”のためにアグレッシブな取引戦略をとることで(i)市場が脆弱化し、(ii)資産価格は大きく変動し、(iii)金融業界の報酬格差を広げる可能性を示した。プロジェクト2では、ファンドのエージェンシー問題と投資家の通時的な学習(learning)の相互作用が、山なりの「バブルのような」価格の振れを生むメカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界の金融市場の主役は個人投資家から投資ファンド等の機関投資家に代わった。この変化が、資産価格の形成過程をどう変化させ、経済の資源配分や厚生にどう影響するかといったことについては、議論が尽くされていない。こうした問いに答える試みが、プロの投資家ならではの「評判効果」や「モラルハザード効果」を考慮した分析である。本研究では、これらの効果が市場に与える影響を考察しただけでなく、プロの投資家への社会的に最適な報酬体系を分析する理論的枠組みも構築した。こうした分析は、投資ファンドの情報公開の義務付けやマネジャーの報酬に関する規制の可否についての政策的含意を得られるという点で、重要な意義がある。
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