研究課題
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海馬においてsharp waves/ripples(SW-R)発生時に繰り返し観察されるシークエンス発火が記憶の固定を担うといわれている。しかし、シークエンス発火が下流の細胞においてどのように受容されているのかは未解明である。そこで、SW-Rに参加する細胞としない細胞のシナプス入力を大規模に可視化し、参加する細胞は参加しない細胞に比べ、SW-R時に多数のシナプス入力を受けることを発見した。さらに、このシナプス入力はシークエンス構造を持ち、空間的に近接したスパインに収束することを見出した。空間的に近接した入力は非線形演算を誘導することから、この入力様式が細胞選択的な発火に関与する可能性がある。
本研究では、SW-Rに参加するか否かを明確に分け、シナプス入力の時空間パターンを比較し、SW-Rに参加する細胞は近接したスパインが繰り返しシークエンス入力を受け取ることを見出した。この結果は、記憶再生時の細胞選択的な発火メカニズムに「シークエンス構造をもつシナプス入力」が関与しうること示唆した点で意義深い。また、シークエンス入力の存在を初めて捉えた知見でもあり、今後、樹状突起の演算様式のより詳細な解明につながることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
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