研究課題/領域番号 |
17H07100
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
杉尾 一 上智大学, 文学部, 助教 (50802419)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 科学哲学 / 認識論 / 量子解釈 / コペンハーゲン解釈 |
研究成果の概要 |
本研究では、ボーアによる認識論的量子解釈の立場から物理量概念を分析することで、物理量を実在の要素とみなすのではなく、物理的対象を分節し、理解するための認識の枠組みという認識論的解釈を提示した。そして、近年、論争となっている弱測定による弱値の物理的解釈を認識論的に行い、参照枠としての量子系に依存する物理量とみなす解釈を提示した。言い換えるなら、物理量とその値は、観測者が設定した参照枠としての物理系に依存しており、属性というよりも、私たちが参照枠を通して入手可能な情報と考えることができることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年、論争となっている弱値の物理的解釈において、存在論的解釈が先行する中、認識論的な解釈を提示するという点において意義があるといえる。さらに、本研究の特徴ともいえる認識論的観点を物理学にもたらすアプローチは、ボーアの量子解釈を物理学全体に拡張するものであり「物理学とは何か」という伝統的な問いに対しても一石を投じる研究といえる。社会的意義の観点からすると、本研究は、いわゆる理系に属する物理学、人文系に属する哲学を結ぶ研究であり、国内の状況を鑑みて、哲学的分析の有用性を示すことができた考えている。
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