研究課題/領域番号 |
17H07111
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
池田 潤 白百合女子大学, 文学部, 講師 (90800938)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プルースト / 失われた時を求めて / サント=ブーヴ / フランス文学 / 近代小説 / 見立て / 間テクスト性 / 受容史 / 批評 / 仏文学 |
研究成果の概要 |
プルーストの小説『失われた時を求めて』には随所に文学談義がちりばめられており、しばしば「批評的小説」といわれる。ではこの作品はプルーストの批評的意見を反映した小説といいきれるのか。この問いに対し、本研究は、この作品では批評というよりももっと原理的に、文学と人間の関係そのものが主題となっていることを示した。さらに、批評ではサント=ブーヴを強く批判したプルーストにとって、小説という形式を選ぶことがみずからの批評を乗り越える試みであったことを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小説も批評も19世紀に完成をみた文学ジャンルである。プルーストの活動時期は19世紀末から20世紀初めであり、むしろこれらの形式が問い直された時代である。プルースト自身、自分が書いているものが小説なのか、あるいは他の何かなのかという問いを抱いていた。現在、『失われた時を求めて』は世界文学における傑作小説とされているが、プルースト自身にはつねに「そもそも小説とは何か」という根源的な問いがあった。本研究はとくにこの作品の「批評的」に傾く側面に注目することで、プルーストにおける小説という言語表現の弁証法をあとづけた。
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