研究課題/領域番号 |
17H07152
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
犬塚 悠 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (80803626)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 和辻哲郎 / 西田幾多郎 / 三木清 / 京都学派 / 自然 / 主体 / 環境 / 技術 / 環境倫理学 / 近代日本哲学 / 近代日本思想 / 田辺元 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、近代日本哲学を手掛かりとして「人間」「自然」を再考するものである。本研究が明らかにしたことは主に以下の3点である。(1)和辻哲郎の倫理学に見られるように、個人的かつ社会的な存在である人間は、環境を自己の一部とし、社会の形の再現を善とする存在である。対して(2)西田幾多郎は進化論的な観点から人間の根底には創造的な世界があるとし、この世界の創造活動に参加することを善とした。個を通して既存の社会の形の反復を壊すこの予測・制御不可能な根底を、我々は改めて「自然」と呼ぶことができる。(3)最終的に、三木清の哲学から、和辻の人間・倫理と西田の自然・創造とは本質的に相克することが見出される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、今日の環境倫理学や技術倫理学の議論に、日本思想から一視座を提供するものである。人間個人を主体とする近代倫理学に対し、今日の環境倫理学や技術倫理学は、環境を倫理の中に位置づけることは可能か、行為の主体は人間個人には限られないのではないかという問題を提起してきた。和辻・西田・三木らの哲学は、人間・環境複合体を主体とし、その形の維持・革新を善とする。この考えは、環境問題を人間と人間の外部としての自然との対立の問題として見るのではなく、人間・環境複合体としての社会の形を維持することとしての倫理と、革新への衝動をかなえることとしての創造との相克の問題として考察することを可能にするものである。
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