研究課題/領域番号 |
17H07165
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田原 彰太郎 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (90801788)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イマヌエル・カント / 『実践理性批判』 / 善に対する正の優位 / 『道徳形而上学の基礎づけ』 / 倫理学 / カント |
研究成果の概要 |
本研究は、カント『実践理性批判』および関連著作を「論争」という観点から読み解いた。本研究がとくに注目したのは、「善に対する正の優位」というテーマである。このテーマは様々な解釈が可能なものではあるが、カントに即して解すれば、「幸福に対する道徳の優位」をこのテーマは意味している。道徳に対する幸福の優位を主張する様々な思想家に対抗して、幸福に対する道徳の優位をカントが説くというのが、本研究の着眼点である「論争」の内実である。本研究によって、カントが反論を試みた「道徳に対する幸福の優位」はどのようなものであり、カントがどのような論拠からそれらに対して反論を行ったのかが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カントの実践哲学は、倫理学の歴史を考えるうえでも、現在の倫理学研究の動向を理解するうえでも重要である。『実践理性批判』はこのカントの実践哲学における最重要著作のひとつである。以下の関連する二つの点において本研究は、今後のカント研究、さらにより広く倫理学研究にも有意義だと思われる。(1)本研究は、『実践理性批判』をカントと同時代の思想家との論争という新しい切り口から理解する道を開いた。(2)本研究は、実践哲学における「論争家としてのカント」を論じた。このような論じ方自体が、これまでのカント研究のなかにはあまりなかったものである。
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