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運の平等主義との対比によるロールズ理論の再評価

研究課題

研究課題/領域番号 17H07166
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 哲学・倫理学
研究機関早稲田大学

研究代表者

宮本 雅也  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (20802086)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
研究課題ステータス 完了 (2018年度)
配分額 *注記
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワードジョン・ロールズ / 分配的正義 / 関係論的平等主義 / 社会的平等 / 運の平等主義 / 責任 / 政治哲学 / 倫理学 / ロールズ / 支配の不在としての自由
研究成果の概要

本研究は、正義の理論に対する責任観念の取り込み方の点から、ロールズの社会正義の理論を肯定的に再評価するするものである。その際、ロールズ理論を運の平等主義による責任の理解の仕方と対比している。
運の平等主義は、各個人の過去の選択の評価(選択の賢さや正しさの程度)と分配上の取り分の一致の点から責任を理解している。しかし、この責任の理解には以下二つの問題がある。第一に、個人の選択に対する制度や規範からの多大な影響を考慮することが難しい。第二に、不正な社会構造を是正する責任を考慮できなくなってしまう。これら二点からして、運の平等主義の責任理解は適切ではない。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は社会正義の理論における責任観念の適切な理解を扱っている。責任の問題は社会制度の設計において重要である。例えば、責任に対する理解の仕方は、社会保障制度がどのようなものであるべきかという見方にも大きく影響する。実際、反平等主義者は責任を引き合いに出して平等主義的な法・制度を批判することが多い。このような責任を根拠とする反平等主義的主張に(理論的に)反論しようとしているのが運の平等主義である。しかし、本研究で明らかになったように、運の平等主義の責任理解は、社会正義の理論に対する責任の組み込み方としては適切ではない。反平等主義的主張に反論する際にも、別の責任の理解の仕方が必要となる。

報告書

(3件)
  • 2018 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 宇宙的価値としての平等をめぐる疑問―価値理論の検討が不足しているのではないか2018

    • 著者名/発表者名
      宮本雅也
    • 雑誌名

      相関社会科学

      巻: 第27号 ページ: 81-86

    • NAID

      120006457328

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 責任の観点からの分配的正義論の再検討―運の平等主義の責任理解が抱える問題点2018

    • 著者名/発表者名
      宮本雅也
    • 学会等名
      日本倫理学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 井上彰の平等主義的正義論に対するいくつかの疑問―「概念」「平等の価値」「責任」をめぐって2017

    • 著者名/発表者名
      宮本雅也
    • 学会等名
      相関社会科学研究会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [図書] 支配の政治理論(担当論文「リベラリズムと支配―ロールズのリベラリズムと非支配としての自由」)2018

    • 著者名/発表者名
      田上孝一編著
    • 出版者
      社会評論社
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-08-25   更新日: 2020-03-30  

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