研究課題/領域番号 |
17H07167
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
八尾 史 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (30624788)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 仏教 / 律蔵 / 経典 / 説話 / 根本説一切有部律 / 薬事 / 写本 / インド / 仏教学 / インド仏教 / 根本説一切有部 |
研究成果の概要 |
本研究は、失われた古代インド仏教の〈経典〉を現存の文献から回復するこころみである。その現存文献とは、一千年紀の前半に北インドで成立した「根本説一切有部律」という僧院規則集であり、〈経典〉に相当する文章を大量に含むことで知られる。 「根本説一切有部律」の現存するサンスクリット語写本、漢訳、チベット語訳を調査した結果、これまで指摘されていなかった〈経典〉をあらたに発見するとともに、同文献に〈経典〉が取りこまれた編纂・伝承の経緯を示す重要な事例を得ることができた。また近年発見された「根本説一切有部律」の第二のサンスクリット写本の解読により、〈経典〉に関わる重要な情報を回収しえた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インド仏教聖典の成立過程についてはいまだ多くのことが不明であるが、本研究により、経典と僧院規則という異なる種類の聖典群の間で、後者に前者を取りこむという形の編集行為がおこなわれたことが確実となった。また新発見の「根本説一切有部律」サンスクリット写本の解読の成果は、今後経典の問題にかぎらず説話や僧院規則といった幅広い分野にわたる研究の資料となる。 仏教は現在アジアを超えて世界に展開しており、それにともなって古い時代の仏教への一般の関心も高い。古代インド仏教についての理解は残された文献の解読とその背景の解明の上に書き換えられつつあり、本研究はその一環としてあらたな基礎的情報を提供するものである。
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