研究課題/領域番号 |
17H07245
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金津 日出美 立命館大学, 文学部, 准教授 (40802103)
|
研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 植民地朝鮮 / 社会的救済 / 社会的弱者 / 国際移動 / 帝国日本 / 移動 / 行旅病死人 / 社会事業 / 行き倒れ / 植民地社会事業 / 思想史 / 植民地社会事業思想 / 境界移動 |
研究成果の概要 |
帝国日本における社会的弱者とその対応に関して日本本国での動向と植民地朝鮮・台湾の動向を対照することで、帝国の人的移動と社会的弱者の様相、社会事業政策を総体的に把握した。具体的には『朝鮮総督府統計』「行旅病死人」統計の具体的実態にせまるため、『朝鮮総督府官報』における「行旅死亡人公告」を収集・整理した。この作業により、統計数値には表れない「行旅死亡人」の性別・年齢、死亡地、埋葬法等の情報が得られた。また、植民地朝鮮における社会事業政策、その思想分析を行い、植民地での伝統的救済思想・慣行と近代的救済思想・政策が補完、せめぎあいつつ展開する、帝国的救済の非対称性について分析を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植民地統治や社会事業の近代化という視角から捉える従来の研究に対し、境界を越えて移動し斃れた「行旅病死人」に着目することで、資本主義の展開による労働力移動によって、本国―植民地間は無論、朝鮮内部をも移動した人びとが、近代医療、伝統医療のみならず、地域社会の救済機能からも零れ落ち、夥しい病と死に見舞われていたことを明らかにした。また近代救済思想を従来の儒教や仏教的救済思想、地域共同体の救済慣行との関連において分析した。グローバル化の進展により国境を越えて生起する「貧困」「格差」の解決を模索するにおいて、境界を移動する人びとに対する救済の問題点と可能性を探る本研究は、重要な視座を提供するといえる。
|