研究課題/領域番号 |
17H07279
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松原 和純 関西学院大学, 理工学部, 助教 (90399113)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 性染色体の分化 / ヤモリ / 収斂進化 / 性決定遺伝子 / DMRT1 / 性染色体 / 性決定 / 爬虫類 / 進化 |
研究成果の概要 |
ミナミヤモリにおける性染色体(ZZ/ZW型)の進化過程を解明することを目的として、性染色体連鎖遺伝子ACO1、DMRT1についてZとWホモログの塩基配列の同定を試みた。その結果、形態的に分化した性染色体をもつ沖縄本島産の個体群では両遺伝子でZとWホモログ間の分化が生じている事が明らかとなった。一方、未分化な性染色体をもつ石垣島産個体群ではDMRT1のみにZとWホモログ間の分化が同定され、ZとWホモログ間の塩基配列の多型は両島間で保存されていた。これらの事から、両個体群の共通祖先においてDMRT1の対立遺伝子が分化したことでZとW染色体への分化が始まり、遺伝性決定が確立されたと推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沖縄本島産と石垣島産ミナミヤモリの性染色体の比較解析から、両島の個体群の性染色体は共通祖先に端を発し、各島に個体群が定着した後に独自の構造変化を蓄積したことが示唆された。島嶼など小さな隔離地域に生息する個体群では独自の性決定様式や生物学的特徴を獲得した可能性があり、これら隔離個体群の調査や保護の重要性が示される。ミナミヤモリの性染色体の分化の開始には、脊椎動物の性分化関連遺伝子であるDMRT1の対立遺伝子間での分化が切掛となったことが示唆された。この事は、脊椎動物の性染色体は多様な起源を持ちつつも、その誕生には性分化関連遺伝子の収斂進化といった共通原理があることを支持する。
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