研究課題/領域番号 |
17H07301
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
長尾 昌紀 福岡大学, 公私立大学の部局等, ポスト・ドクター (70806372)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 睡眠 / 認知症 / アストロサイト / 脳血管性認知症 / 睡眠障害 / 脳血管認知症 |
研究成果の概要 |
空間記憶障害および睡眠障害を併せ持つVaDモデルラットを用いて、空間記憶障害に有効な睡眠薬の探索と、その作用機序を検討した。VaDモデルラットは顕著な空間記憶障害を示し、diazepam投与群は空間記憶障害を抑制する傾向を示した。またdiazepam投与群はVaDモデルラットにおける海馬CA1領域の神経細胞体脱落を抑制する傾向を示した。しかしながら、VaDモデルラットは海馬で新生細胞が増加し、diazepam投与群はこれを抑制する傾向を示した。VaDモデルラットの空間記憶障害にはdiazepamが有効であり、その機序には神経細胞新生ではなく神経保護作用による可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳血管性認知症モデルラットの空間記憶障害に対して,各種の睡眠薬の中でもdiazepamが有効である可能性を示し、その作用機序には海馬の神経細胞脱落の抑制であることを示せた.従って、脳血管性認知症患者の睡眠障害を改善することで,認知機能障害を改善または進行抑制し得ることが分かった.臨床現場での認知症患者において、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の服用は筋弛緩の副作用による転倒や骨折から,認知機能の更なる悪化の恐れが懸念される.しかし、今回明らかになったdiazepamの神経保護作用に着目し,更なる睡眠やグリア細胞との関連機構を解明することで、副作用の少なく新たな認知症治療薬の開発につながる可能性がある。
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