研究実績の概要 |
細胞種に応じたマイクロRNAの活性が報告されており、活性が高いマイクロRNAを同定することでその細胞種特異的なマーカーとなる。マイクロRNAは翻訳制御機構において抑制的に働くものであるが、本研究では促進的に働くデバイスの開発を目的とした。
マイクロRNA応答性CRISPRシステムは、細胞内において活性の高いマイクロRNAを認識して働くシステムである。細胞種ごとに活性の高いマイクロRNAが同定されており、細胞種特異的なゲノム編集・エピゲノム編集を実現すべくシステム開発を行った。 1. 活性の高いマイクロRNAを認識して翻訳がONになる新たなデバイスの開発に成功した。マイクロRNA-RISC complexがmRNAの5’UTRに結合した際にその下流のG.O.I,からの翻訳が起こる、Cis-acting microRNA-responsive On Systemの開発を行った。microRNAは翻訳制御機構において抑制的に働くRNAであるが、逆に促進的に働くデバイスであり、更にはmicroRNAがないときにはmRNAそのものが分解されるシステムの開発に成功した。 2.活性が高いマイクロRNAを認識して働くゲノム編集システムの開発に成功した。1.で記述したデバイスにCRISPRシステムを搭載し、活性が高いマイクロRNAを認識したときのみにゲノム編集を起こすことができる。更に、マイクロRNAがないときには、全くゲノム編集が起こらないことも確認した。
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