研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、電界誘起光第2次高調波発生(EFISHG)法により錫ペロブスカイト太陽電池の内部電界を直接測定し、キャリヤ挙動の評価を行うことを目的とした。昨年度は、錫ペロブスカイトCH3NH3SnI3 (MASnI3)やCH(NH2)2SnI3 (FASnI3)から発生するEFISHGの信号強度を調べた。本年度はEFISHG法に加えて電荷変調分光(CMS)法という光学的手法を用いて錫ペロブスカイトのキャリヤ挙動評価を行った。まず、CMS法により、MASnI3単層サンプルに現れるヒステリシス特性の原因が、錫の欠陥で起きるトラップフィリングであることをエネルギー的に明確化することができた。本研究成果は、これまで電気測定による推察に留まってきた錫ペロブスカイトのキャリヤ挙動評価において重要であり、学術雑誌Journal of Applied Physicsで発表することができた。また、昨年度発見したFASnI3から発生するEFISHGを用いてイオンの移動度評価を行い、国際学会で発表することができた。次に、電子輸送層のC60を挿入した錫ペロブスカイト太陽電池のキャリヤ挙動を評価した。CMS法およびEFISHG法により、太陽電池構造でも錫ペロブスカイト膜内で起きるトラップフィリングがヒステリシス特性の要因になっていることを実証することができた。本研究成果はMolecular Crystals and Liquid Crystals誌への掲載が受理となり、国際学会でも発表をすることができた。また、カタール大学との共同研究により、EFISHG法を用いて高効率な2D/3D構造の鉛ペロブスカイト太陽電池の安定性についても評価することができ、学術雑誌で発表をすることができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 11件) 備考 (1件)
Organic Electronics
巻: 66 ページ: 7-12
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Molecular Crystals and Liquid Crystals
巻: 印刷中
2019 IEEE 3rd Electron Devices Technology and Manufacturing Conference (EDTM)
Journal of Applied Physics
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Chemistry Letters
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10.1246/cl.170329
130005907010
http://t2r2.star.titech.ac.jp/cgi-bin/researcherpublicationlist.cgi?q_researcher_content_number=953dc171015ef2516274129c0c8c216e&q_year_from=2018&q_year_to=2018&tab_yf=2018