研究課題
特別研究員奨励費
光通信機器における信号処理を全て光信号で行う「全光信号処理」を実現する全光デバイスは、デバイスの消費電力を3桁程度削減可能であるものとして期待されている。これまで、2010年には全光スイッチ、2012年には全光メモリが実験的に確認されたことで,世界的な注目を集めてきたが、光整流ダイオード(全光ダイオード)については、順方向透過率や整流特性、波長特性が乏しく、未だ実現が困難な状況である。そこで本研究では、優れた整流特性および高い実現可能性を有する全光ダイオードを設計開発することを目的として、フォトニック結晶共振器を用いたシリコン全光ダイオードの研究を進めてきた。前年度までに、従来報告されてきた全光ダイオードと比較して、より実現性の高く、高い透過特性および整流特性を有するダイオードが実現可能であることを理論的に確認した。2年目となる本年度は、前年度設計した全光ダイオードを作製し、測定実験を行う予定であったが、フォトニック結晶デバイスを設計通りに作製することができず、ダイオード動作の実験実証までには至らなかった。具体的には、フォトニック結晶光共振器の入出力導波路部分に問題があり、空孔間隔や、曲げ導波路の配置を工夫して、シミュレーション通りの実験測定結果が得られない問題を回避した。現在、改めて設計デバイスのチップ作製を行っている最中であり、実際に実験測定のフェーズに入るのは次年度以降となる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE Photonics Journal
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