配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
研究実績の概要 |
今年度の主要な成果として次の3つをあげる事が出来る. (I) Affine型前射影多元環の傾複体の研究. 導来圏同値を理解する基本的手法は,傾複体を理解する事である.以前までの自身の研究において,Dynkinグラフに付随する前射影多元環の場合には,その傾複体を完全に分類する事に成功している.この研究の目的はそれをaffineグラフに付随する前射影多元環の場合に拡張する事である.共同研究においてaffine型前射影多元環の長さが2の傾複体を調べ,τ傾理論を用いる事でその変異をaffine Weyl群と対応させ,完全な分類を与える事に成功した.さらに任意の傾複体は環をシフトさせたものから変異で得られると予想し,実際に特別な場合に成り立つ事を示すに至った. (II) 前射影多元環,道多元環の表現論とコクセター群の統括的研究. 80年頃P.Gabrielにより示されたDynkin型道多元環の表現論と正ルートとの対応は,現在ではクイバーの表現論とLie理論とのもっとも基本的な結びつきの一つと言える.近年になり,より直接的な結びつきが前射影多元環の表現論とCoxeter群へと拡張した形で得られる事が分かってきた.共同研究において最新の前射影多元環の理論を用いて,道多元環の表現論とCoxeter群との根本的な関連性を考察し,道多元環上のねじれ対をCoxeter群の言葉によって明確に記述出来る事を示した. (III) 単体的複体を用いたBrauer樹木多元環の傾理論の研究. Brauer樹木多元環はmodular表現論から現れる極めて重要なクラスである.共同研究においてBrauer樹木多元環の長さ2の傾複体を,単体的複体(多面体)として捉え全体の数がBrauer樹木多元環の頂点の数にのみ依存する事を示した.そして結果としてこの数は導来不変量になる事を明らかにした.
|