研究課題
特別研究員奨励費
我が国の血液透析(Hemodialysis; HD)患者は30万人を超え、長期受療者も増加している。HD患者の生命予後や、生活の質(quality of life:QOL)といった臨床アウトカムには、「透析間の体重増加量」や「血清リン濃度管理」の自己管理(治療)に対し、患者自身がどれだけ同意し、自ら適切な管理行動をとれるかの「アドヒアランス」が重要となる。特に、食事・水分管理のアドヒアランスは、達成率が低く、効果的な介入が求められている。本研究では、臨床検査値など客観的指標によるアドヒアランス評価と合わせ、患者自身が自己管理に対し、どのように捉え、行動しているか、自己申告によるアドヒアランス状況の理解を進めることで、新たな介入視点を得ることを目的とした。本研究の研究より、患者自身が捉える(自己申告)アドヒアランス状況は、一部の客観的指標(臨床検査データなど)や、食事・水分摂取行動が反映されやすく、医療者が課題と考える事項と必ずしも一致しない可能性を示唆した。すなわち、医療従事者は、患者がアドヒアランスをどのように捉えているかを理解し、それに適した説明・提案を行う必要性が提示できた。さらに今年度は、昨年度までの成果と合わせ、患者のタイプ別に個別に適した情報提供ができる教育媒体(小冊子)を作成し、専門家から内容のプロセス評価を得るところまで実施した。今後は、教育媒体(小冊子)の改善と合わせ、実際に利用した場合にアドヒアランスの改善がみられるか、効果検証を行う予定である。尚、本研究の結果は、関連学会や論文で公表を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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the Journal of Renal Nutrition
巻: 29(1) 号: 1 ページ: 24-32.e5
10.1053/j.jrn.2018.04.009
European Journal for Person Centered Healthcare
巻: 6(3) ページ: 350-357
巻: ―
Journal of Renal Nutrition