研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、プラズマによる血液凝固現象として、特にタンパク質凝集現象のメカニズムの理解を進めることを目的としている。以下の1)、及び2)の研究を行うことにより、各プラズマ特性とタンパク質凝集効果との関係を調べた。1)異なる放電条件での低エネルギー大気圧プラズマの特性計測: 作動ガスや照射距離等の放電条件を変えて実験を行った際のプラズマの特性計測と解析を行った。プラズマ源としては、研究室において開発された血液凝固作用のある低エネルギー大気圧プラズマを用いた。主な計測としては、発光分光法による活性種計測、印可電圧・電流・電力等の電気特性計測、及びプラズマの発光伝播計測等を行った。また、特別研究員奨励費によりイタリアのConsorzio RFXに滞在し、幾つかのプラズマ装置の特性計測を行い、違いを明確化した。これらの研究活動により、放電形式や放電条件の相違に起因する幾つかのプラズマ特性の相違が明らかとなったことで、プラズマ中の反応過程の理解を進めることができた。2) 血清タンパク質への低エネルギー大気圧プラズマ照射実験: 1)の研究により得られた知見を元に、放電条件を変化させて生成した特性が異なるプラズマを用いて、血清タンパク質へのプラズマ照射実験を行った。そして、この時のプラズマの特性とタンパク質凝集効果との関係を調べた。結果として、血清タンパク質凝集の様相は放電条件によって異なることが見出され、プラズマ特性の相違と凝集効果の相違の相関関係を解析することで、幾つかのプラズマパラメータと凝集作用との関係が明らかとなった。以上の研究から、特性が異なるプラズマを用いてタンパク質への照射を行うことで、凝集現象の様相を変化させることが可能であることが明らかとなったことで、プラズマによる凝集現象の制御に基づいた剤型加工技術開発に展開されることが期待される。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)