研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、活動銀河中心核(AGN)において莫大な放射エネルギーを生み出している超巨大ブラックホール降着円盤について、特徴的な観測量である紫外線-可視光波長域域における光度変動現象の観測データの解析を通じて、放射領域の構造やエネルギー生成の物理過程を理解することを目的としている。特に、現在進行中の すばる望遠鏡/Hyper-Suprime Cam(HSC)サーベイによって得られる可視多波長深撮像モニタリング観測データを用いて、これまで調べられてこなかった低光度AGN ブラックホール降着円盤の物理を解明することを目指している。COSMOS 天域のHSC サーベイデータの処理と光度変動天体の同定は2018 年3 月までに完了したので、採用第2年度目からはサーベイデータ中に含まれる既知のAGN の光度変動の時系列データの解析、および上述のAGN サンプル構築法の検討を開始した。さらに、AGNの光度変動探査をするにはより長期間の時間変動データを用いるのが有利であるという動機から、HSCを用いたCOSMOS天域の追加観測を提案し、2020年2月に実現させた。これまでの成果は2019 年11 月に開催されたすばる望遠鏡ユーザーズミーティング等において発表しており、論文投稿準備中である。HSCを用いたAGN探査研究と並行して、2000 年代に非常に大きな光度変動を示した近傍AGN Mrk590 について、Sloan Digital Sky Survey やMAGNUM project といった過去の可視-赤外線サーベイ観測データを収集・再解析し、AGN に付随する高温ダスト成分の時間変化を調査した。観測データの再解析により、光度の変化に追随して大量のダスト粒子の凝縮生成が生じた可能性があることがわかった。結果は学術誌にて出版した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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