研究課題
特別研究員奨励費
次世代航空機は飛行中に折り畳み展開する可変翼の搭載が期待されている.この可変翼の設計開発に必須となる「構造空力連成モデリング法の確立」に向け,以下の3項目に取り組んだ.(1)構造モデルの三次元化・高効率化:絶対節点座標法(ANCF)に基づいた新たな3次元梁要素を開発し,従来困難であった可変挙動・柔軟変形する翼の三次元構造モデリング・シミュレーションを可能とした.ANCFは全体座標で表現されたベクトルのみを変数とし,大変形・大移動する構造物をモデリングできる手法である.しかし,大半の構造物で非支配的となる梁断面の伸縮やせん断を強制的に考慮してしまうため,計算が発散しやすい上に,航空機翼のような複雑断面構造物には適用できないという問題があった.本研究では,ジョイント拘束を取り扱うマルチボディダイナミクス理論を導入し,これら非支配的な断面変形を拘束することで,3次元ANCF梁要素を航空機翼に適用できるように拡張した.(2)空力モデルの高精度化:昨年度までは,初期検討として流体の三次元効果を無視する二次元空力モデルを使用していた.しかし,折り畳み展開する可変翼はスパンが大きく変化するので,流れの三次元効果は無視できなくなることが昨年度の風洞実験で判明した.今回,流れの三次元効果を考慮した三次元空力モデルを提案する構造モデルと連成させることに成功し,シミュレーションと実験はより良好な一致を示した.(3)風洞内変形実験の高精度測定:構築したモデルの精度を実証するために,東北大学・流体科学研究所で可変翼の展開実験を行った.可変翼実験装置の展開機構を電動化することで,よりバラツキの小さい実験データの取得に成功した.さらに,近距離高精度レーザー変位計を導入し,昨年度から使用していた高速度カメラと合わせることで,可変翼の大きな剛体運動と弾性変形を高精度で捉えることが可能となった.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 7件) 備考 (1件)
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