研究課題/領域番号 |
17J02178
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 信宏 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新物理探索 / K中間子 / ダークフォトン / 中性子識別 / カロリメータ / 素粒子物理学 / KOTO |
研究実績の概要 |
本研究は,中性中間子であるπ0の崩壊を通じた検出器で直接観測できない粒子の探索を目的としている。その候補の一つであるダークフォトン(A')はπ0→γγ崩壊によって作られた光子とミキシングを起こす(γ→A')。消失した光子と対になる光子とπ0の運動量から,間接的にその存在を検証することが可能である。本研究では,π0中間子を大量に生成することが可能なKL→3π0崩壊を利用した。 A'の実験的測定は、観測可能な5つのγのヒット位置、エネルギーを測定することで行う。2019年度にかけ、A'の探索感度の向上のための研究を行ったが、結果的にその存在に対して優位に強い制限を与えることが難しいことがわかった。KL→3π0崩壊によって生成された、π0→2γが、検出器の中で不感になってしまうと、原理的に質量のない A'と同等な分布を作るためである。不感率を深く理解できていれば、その寄与を引くことにより、感度を向上させることも期待できたがシミュレーションによる方法以外に、それを保証する方法がなく、断念した。 一方、少し方向性を変え、KL→π0γという崩壊を探索した。この崩壊の特筆すべき点は, 角運動量を保存しない過程であるということである。KLとπ0は角運動量を持たない性質を持っているため,γの偏極が持つ角運動量を生成できない。ローレンツ不変性を破る崩壊であり, 未知の物理に対して感度をもつ。blind法を利用して事象選別の手法を決め, 信号領域の中の事象を調べた。信号事象の候補となる事象は発見されずKLがπ0γに崩壊する割合の上限値として<1.7×10^-7を90%の信頼水準で与えた。 γ→A'の探索は、検出器の不感率の理解が原理的に難しいために、優位な感度向上をするに至らなかったが、γ→A'崩壊の探索の過程で得た知見や、検出器の開発によって、多くの物理的成果を達成することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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