研究課題/領域番号 |
17J02463
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河村 真実 神戸大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 多文化主義 / リベラル / 関係論的文化概念 / 承認 / 内部少数派 / パッテン / カレンズ / フィリップス / リベラリズム / キムリッカ / カレンス / 国境開放論 / 政治学 / 思想史 / ロールズ |
研究実績の概要 |
本年度は、リベラルな多文化主義の原理論と制度論の交錯関係について考察した。本研究では、主に、パッテンらの関係論的文化概念と承認主義という二つの原理論を採り上げ、近年の制度論との複雑な交錯関係について総合的考察を行った。関係論的文化概念は、集団内の連携関係に焦点を当てることにより、保護対象を拡大する原理論である。承認主義とは、あらゆる文化集団に対する承認とより積極的な保護を要求する原理論である。 (1)まず、関係論的文化概念と近年の制度論の交錯関係について考察した。その結果、以下の重要な知見が得られた。①カレンズらは、居住期間が長期化するほど受入国での人間関係が深まることを根拠とし、受入国に一定期間以上居住する人々全員に市民同様の権利を保障するよう主張する。このカレンズらの制度論は、集団内の人間関係を根拠として権利主体の拡大を主張する点において、関係論的文化概念と親近性を有していると言える。②さらに、関係論的文化概念は、集団内の人間関係や文化への愛着など文化の実態に即した概念である。それゆえ、関係論的文化概念は、多文化共生に必要な具体的権利や政策などを検討する際に重要な役割を果たすことが明らかになった。 (2)次に、承認主義と近年の制度論の交錯関係について考察した。その結果、①承認される文化が、集団内の女性や子どもなど、内部少数派と呼ばれる人々に対する抑圧的慣習を含む場合、承認による積極的な文化保護が、抑圧行為を従来よりも強く正当化し助長する可能性があることが判明した。②しかし、内部少数派への抑圧の可能性に対して、熟議等の対応策を提示するフィリップスらの制度論は、国家による多様な文化の承認を要求する承認主義と必ずしも矛盾しないため、承認と並行して採り入れることが可能であり、これにより内部少数派問題を克服しうるという重要な知見が得られた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|