研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的はシャドウを主軸に置いた4次元多様体のエキゾチック微分構造の解明である.平成 29 年度は主に以下の 3 点の研究を行った.(i)Shadow-complexity に着目したコルクの分布について研究を行った.これまでに知られていた shadow-complexity の小さいコルクに対し,本年度は shadow-complexity がいくらでも大きくなるようなコルクの存在性が示せた.既存のコルクの境界連結和によっても shadow-complexity が増大するようなコルクを得ることはできるが,今回構成したコルクはそうした境界和既約性に関して非自明なものとなっていることも示せている.(ii)Costantino による問題「閉または境界付き4次元多様体のエキゾチック対の(special)shadow-complexityの最小値はいくつか?」に基づいて研究を行った.今回の主な成果として,境界付き 4 次元多様体のエキゾチック対の shadow-complexity の最小値は 0 であることを示した.(iii)古宇田氏および Martelli 氏との共同研究において,connected shadow-complexity を導入し,その値が 1 以下の閉 4 次元多様体の分類を行った.なお,以上の内容は 2 本の論文にまとめられ,それぞれ専門雑誌に投稿中である.また,これらとは別に shadow-complexity が小さいコルクや 4 次元多様体に関して調査した 2 本の論文は,一方が Osama Jornal of Mathematics から掲載決定され,もう一方は Proceedings of the American Mathematical Society から出版された.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
Osaka Journal of Mathematics
巻: Volume 55, Number 3
Proceedings of the American Mathematical Society
巻: Volume 145, Number 10 号: 10 ページ: 4561-4572
10.1090/proc/13595