研究課題/領域番号 |
17J02973
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
赤穂 菜摘 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 教会堂における図像プログラム / 境界の象徴性 / 教会建築の出入口と対観表の象徴的な関連性 / 図像と建築部位 / フィールドワーク / 装飾の実用性 / 装飾、建築、儀礼の有機的な関連性 / 建築物の役割と装飾 / 現地フィールドワーク |
研究実績の概要 |
アルメニア教会の教会堂では多様な石製の浮彫が見られ、特に動植物や幾何学文様など人物ではないモティーフが多い。本研究は、浮彫の各モティーフが表す図像学的な意味と浮彫が置かれた建築部位の機能が関連して創り出す意味を教会堂の図像プログラムと題し、その体系化を図ってきた。 本年度は聖俗の境界に着目し、教会堂の内外を分ける出入り口周辺において建築装飾である浮彫と建築部位がもちえるシンボリックな結びつきを考察した。扉など物理的に聖俗を分ける建築部位の機能を解釈することに始まり、象徴的な「境界」である福音書写本の対観表の役割やそこを彩る図像の意味、教会堂内外の壁に刻まれた銘文を理解することに着眼した。 対観表とは、福音書本編の前に置かれ各福音書の並行記事を比較した一覧である。中世で対観表は福音書本文を読む前に読者の心と目を浄化させるものと解され、読者が初めに訪れるいわば出入口であった。出入口と対観表はそこを彩るために選択されたモティーフの点でも多く共通している。対観表と教会堂の出入口は類する象徴性をもつと考えられ、特にマカラヴァンクという修道院で顕著に示される。 アルメニアの教会堂ではよく壁に銘文が刻まれる。文字資料は浮彫のような美術作例の意味を明瞭にする助けとなるが、今回検討した修道院マカラヴァンクとノラヴァンクでは寄進した人物やその額が多数を占め、図像の意味解釈に役立つ聖書中の文言や典礼に関連する記述は見当たらなかった。 教会堂の出入口と対観表のように、建築と二次元の挿絵における象徴的な意味の関連を検討した先行研究は皆無だが、上記のような成果もあるためこの視点は重要と思われる。図像プログラムの体系化にはより多角的な着眼点が必要になるだろう。検討に十分な資料はこれまでに収集済みのため、図像プログラムの体系化を論じる上でモデルとなる対象を個別に検討し、新たな視点を模索していきたい。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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