研究課題
特別研究員奨励費
① Pradimicin A (PRM-A) が高い親和性を示すN結合型糖鎖部分構造の特定昨年度までの研究により、PRM-Aは非還元末端マンノース (Man) 残基を1つもつ直鎖型よりも複数もつ分岐型のオリゴ糖に強く結合し、特に非還元末端Man残基を3つもつ三分岐型にもっとも強く結合することが明らかになった。今年度は高マンノース型糖鎖以外にも結合する可能性のあるL-Fuc残基を含むオリゴ糖を合成し、結合試験を行ったところ、L-Fucを含むオリゴ糖とはほとんど結合しなかった。PRM-Aと合成オリゴ糖の結合試験をまとめると、PRM-Aの高マンノース型糖鎖に対する結合活性はオリゴマンノースの構造に関わらずオリゴマンノースのもつ非還元末端の数に依存して上昇し、複合型糖鎖のL-Fuc残基に対する結合はMan残基に対する結合に比べてはるかに弱い可能性が示唆された。 本結果から、PRM-AはN結合型糖鎖の中でも複合型糖鎖のL-Fuc残基は認識しておらず、非還元末端Man残基を有するハイブリッド型糖鎖と高マンノース型糖鎖を認識しており、特に非還元末端を3つ有するハイマンノース型糖鎖を選択的に認識している可能性が示唆された。② PRM-Aとオリゴ糖の結合様式の固体NMR解析昨年度までに、13Cを導入したPRM-Aと二つの非還元末端Man残基を別々に13C標識したtriMan(Man-OMeの3位および6位水酸基にそれぞれManがグリコシド結合した三糖)との複合体をそれぞれ調製し、固体NMR測定を行ったが明確な結果を得ることができなかった。本年度はCd2+を用いた測定を行うために固体サンプルの調製を行ったが固体NMR測定のできるサンプルが調整できなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Tetrahedron Lett.
巻: 61 号: 9 ページ: 151530-151530
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120006848981
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