研究課題
特別研究員奨励費
本年度は強誘電性ジルコニア薄膜へのドーパント効果を4価イオンまで拡張し、極性付加に関する重要な結果を得た。具体的には添加元素の量に応じて強誘電特性を与えるドメインの発現を整理するため、組成を多岐にわたる薄膜組成の試料をターゲットとなるペレット焼結組成を変えることで作成し、さらに熱処理により結晶化することで所望の酸化物相を得た。これらの薄膜に対する組織ならびに構造評価を原子レベルにまで遡って行う必要があるが、そのため当該研究員は収差補正型透過電子顕微鏡を駆使し、断面方向からのZコントラストならびに動力学的効果を含むコントラストを検証した。これらの結果を電気的応答と対応させ、強誘電性の発現に対する一貫した結論を得た。さらに膜厚効果、基板からの束縛による応力効果に関する研究項目に関しても当初の予想を越える研究成果を出している。たとえば、一定の厚さ以上では強誘電体相は消滅することを実験的に立証しており、最終的な実機化に対するプロセッシング条件の確立のための基本となるデータを出すことに成功した。これらの内容は応用物理学会における口頭発表、セラミックス協会におけるポスター発表などの形で公表しており、現在、論文にまとめている。以上の見解を持って、当該研究員は予想以上の成果を出している者と結論した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
Applied Physics Letters
巻: 113 号: 26 ページ: 262903-262903
10.1063/1.5063757
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 57 号: 11S ページ: 11UF02-11UF02
10.7567/jjap.57.11uf02
210000149811