研究課題/領域番号 |
17J03358
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高井 寛 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ハイデガー / 『存在と時間』 / 行為 / 行為者性 / 死 / 意図 / 空間 |
研究実績の概要 |
ハイデガー『存在と時間』を「行為の哲学」として統一的に解釈するための研究を行った。より具体的には、同書の「空間論」を行為者が行為を遂行するために必要な空間把握の働きを論じたものとして解釈したほか、同じく「周囲世界分析」から、意図せざる意図的行為に関する分析を析出し、また「歴史性」を巡る議論を行為者の行為者性を特別な仕方で形作る「自己の生を物語ること」という観点から、また「死の実存論的分析論」を行為者自身が人生の無意味さについて抱く否定的な情動の観点から解釈した。 本研究の意義の一つ目は、『存在と時間』が含む議論の全体を「行為の哲学」として解釈することが可能であることをより一層確かに示したことにある。同書は、存在論の著作として解釈される傾向にあるが、そこでなされている「現存在の実存論的分析論」は、行為の哲学としての側面を有しており、本研究はその内実を明らかにするものであった。以上が、本研究のハイデガー研究としての意義である。次に、本研究は20世紀中葉以降の現代の「行為の哲学(Philosophy of Action)」に欠けている視座を、ハイデガー『存在と時間」から析出するものであるという点で、行為の哲学それ自体としての意義をもつ。より具体的には、個々の行為を成り立たせるための心的状態という現代行為論の主流法の方法ではなく、行為がなされる歴史的、空間的文脈、あるいは死すべき有限な存在者によってなされる時間的な文脈のなかに行為を位置付けるという点で、『存在と時間』から本研究が汲み出した行為の哲学には、現代的な意義がある。 最後に本研究の重要性について。本研究は、『存在と時間』の一部分の議論だけでなく、その全体を「行為の哲学」として解釈する点で、研究上の独自性と重要性をもつ。また現代行為論とハイデガーを積極的に架橋するという点でも、あまり類を見ない研究である。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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