中員環融合型インドール合成法の開発にあたり、側鎖構造を有するインドールを5炭素ユニットとして種々の2炭素ユニットとの反応を検討することで7員環形成を検討した。その結果、2炭素ユニットとしてエノンまたはアルキンを利用した際に7員環縮環インドールが合成可能であることを見出した。 エノンを用いた検討においてはCo塩をルイス酸触媒として用いることで、7員環形成が進行した。しかしながら、本反応においては種々の副生成物が得られ、望みの環化体を選択的かつ高収率で得ることは困難であった。 一方、アルキンを利用した反応においては、望みの環化体を高収率かつ高立体選択的に得ることに成功した。反応はIn塩をルイス酸触媒とした条件下で進行し、特に末端芳香環置換アルキンを用いた際に効率よく反応が進行して、最高96%で環化体を得ることに成功した。さらに、種々のインドール基質およびアルキンを反応に用いることが可能であり、多様な官能基が導入された計23種の7員環融合型インドールを合成することに成功した。また、反応メカニズム解析にも取り組む、In触媒がアルキンおよび不飽和エステルという異なる官能基を活性化することにより反応が進行していることを示した。 開発した7員環融合型インドール合成法はアルキンの性質を利用したアトムエコノミーに優れた反応である。また、7員環融合型インドールには多様な生物活性が報告されてきたことから、今回開発した新規7員環融合型インドール合成法は創薬研究の加速に寄与する成果であると言える。
|