研究実績の概要 |
本研究では機械学習の一手法の学習分類子システムを用いて、実環境から取得されたデータから人間にとって解釈性の高いルールを獲得するために(1) 環境からの入力, 環境への出力及びその出力に対する評価である報酬が「特定」の分布に従う環境への適応,(2)入力, 出力及び報酬が「不特定」の分布に従う環境への適応, (3)学習に用いるデータ数が少なく入力の種類に偏りがあり十分に環境全体を網羅できない環境への適応に取り組む。 その目的達成に向けて本年度は(2)及び(3)に対して取り組んだ。(2)に関しては報酬に対して様々な形状の雑音が付加された環境においてこれまでに提案した学習分類子システムを適用し、雑音の形状やその強度に関する情報を与えずに獲得を目指すルールを獲得できるかを確認し、数理的な解析による手法の適用可能な雑音の限界点を明らかにした。 (3)に関してはこれまでに提案した学習分類子システムを複数の分類問題に適用し、提案手法が分類器を獲得するに当たり障害となる問題を明らかにした。 本研究の成果の社会に向けた発信として、成果を国際学会のIEEE Congress on Evolutionary Computation 2019及びThe Genetic and Evolutionary Computation Conference (GECCO) 2019のWorkshopと国内学会の進化計算シンポジウムにおいてそれぞれ1件ずつ発表した。
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