研究実績の概要 |
本年度も、Kanemoto et al. (2018) によって示唆された、産業連関モデルにおける基準化切断値を用いたグルーピング手法の問題点を解決した新たな手法の提案を行った。昨年度に引き続き、上記の基準化切断値を用いたグルーピングの問題に対し、新しい評価指標を提案するために、産業連関モデルにおけるネットワーク分析の再定義について論文を持つ土中哲秀氏(中央大学)と、新しく産業連関分析、特に構造経路分析について論文を持つ永島史弥氏(近畿大学)を加え、ネットワーク分析における集塊度を示すクラスター係数を応用し、これまでの基準化切断値に代わる、産業連関モデルのクラスター係数のブラッシュアップを行った。これによって国際貿易ネットワークにおけるグループの評価やボトムアップ型のグルーピングが行えるようになった。また本手法では1つの産業が複数のクラスターに属することもできる指標であり、“Other business activity”や“Processing of food products”は複数のクラスターを構築していることが分かった。本研究は“Boosting Economic Competitiveness: The Industrial Clusters in Input-Output Networks” のタイトルで、グラスゴーで行われたThe 27th International Input-Output Conference, で口頭発表を行った。本成果は空間経済学の査読付き国際誌であるSpatial Economic Analysis誌に投稿し、現在査読中である。
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