本研究ではウェアラブルセンサを用いてスポーツ選手のコンディションを推定する技術の確立を目的とし、今年度はコンディションと特に関連すると考えられる深部体温(身体深部の体温)および脱水状況のそれそぞれを推定するための研究を行った。前者の深部体温の推定においては、軽負荷の運動(歩行)の運動に加え、負荷の変動を伴う運動や高負荷の運動(エアロバイク・ランニング・テニス)で収集したデータを分析し、多様な環境においても深部体温を平均誤差0.3度以内で推定できることを確認し、学術論文誌で発表した。さらに、脱水状況把握のため、発汗による水分損失量、および水分摂取による水分補給量の把握が重要であると考え、ウェアラブルセンサを活用し飲水量を簡便に推定する手法の研究を行った。多様なジェスチャを含む日常生活での腕の動きより、二段階の行動認識手法を適用し詳細な飲水行動を認識するアルゴリズム、ならびに飲水中の姿勢から得られる特徴量を用いた飲水量推定モデルを提案し、実環境で収集した多数のデータセットを用いて手法の有効性を示した。
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