研究課題/領域番号 |
17J04256
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石田 真衣 名古屋大学, 人文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヘレニズム / プトレマイオス朝 / エジプト / 在地社会 / 嘆願 / 紛争処理 |
研究実績の概要 |
ヘレニズム・ローマ期エジプト在地社会における紛争処理の実態を考察し、社会変容のプロセスを明らかにする目的のもと、本年度は、ギリシア・マケドニア文化と土着エジプト文化に由来する多元的かつ多様な社会関係が、どのようにしてプトレマイオス朝の社会秩序に包摂されていたのかについて考察をすすめた。 近年の諸研究は、個人・集団間の相互影響に目を向け、多様な人間関係における近接性を明らかにしつつある。そのような関係性は、相互交渉によって築かれたものであることは明らかである。本研究では、嘆願書を個人・集団間の交渉の記録とみなし、当事者や処理者の人的関係、嘆願行動の社会的背景を分析した。さらに、嘆願処理者の多くが王朝役人であったことから、嘆願には王朝権力との交渉という側面もある。したがって本研究では、日常的秩序の再編に王権がどのようなかたちで関与していたのかについても検討を加えた。 プトレマイオス朝期の紛争処理システムの特徴は強い仲介力である。その仲介力の一つは役人同士の紐帯であった。それは直系の階層関係だけでなく部門を超えた役人ネットワークである。この役人同士の紐帯が在地社会に受け入れられ、定着していく一つの要因が王権との紐帯である。この時代の社会関係は、そのような王と役人の紐帯と在地社会に共有されている理念的な権力者像に支えられていた。この理念的な権力者像が、嘆願者の側から提示されていたことは特筆すべきである。これらの研究成果の一部は、「プトレマイオス朝エジプトにおける嘆願をめぐる社会関係」(口頭発表、第17回歴史家協会大会、関西学院大学、2018年6月)において発表した。社会関係のさらなる追究のため、今後は紛争処理や秩序維持に関する書簡と嘆願書の総合的な分析を課題とする。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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