研究課題/領域番号 |
17J04382
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 有貴 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 電気浸透流 / 高電圧生成回路 / LSI冷却 / ゼータ電位計測 |
研究実績の概要 |
本年度では、集積化マイクロ流路冷却機構実現のために、マイクロポンプとして利用する電気浸透流の性能を定量的に評価する手法についての研究を行った。まず、電気浸透流を利用したマイクロポンプを動作させているときに急に流速が観測できなくなる(ポンプとして動作しなくなる)現象についてその原因を電気的に調査し、電気浸透流マイクロポンプの動作が行えている時は流路両端にも電位があり、常に流路内に一定の電界が存在し、液体が動作していることがわかった。一方、マイクロポンプの動作が停止した時は、全ての計測電極で0 V付近を示すようになり、不良動作の原因がマイクロ流路内に正しく電界が印加されていないためだと分かった。 また、MEMS技術を応用し半導体プローブのように計測対象のウェハを上に置くことで表面電位(ζ電位)を計測できるようなセンサを開発した。これは、電気浸透流マイクロポンプとマイクロヒーターを含む流量センサをチップ内に集積した構造となっている。マイクロ流路は、SU-8エポキシレジストを用いて作製し、上部は計測するサンプルを置くことで封止して使用する。また、チップサイズは8 mm×8 mmとなっており、従来のζ電位計測器に比べ格段に小さくなっている。流路中心には、流速を計測するための抵抗型センサ・リファレンス用マイクロヒーターが配置されている。また、流路両端には電気浸透流を発生させるための電極が配置されている。流路上部に置かれたサンプルのζ電位に比例した電気浸透流の流速を、流量センサを用いて計測することでζ電位の測定を行う。市販のζ電位計測センサの結果と比較し、作製したセンサの出力が計測したサンプルにおいて、それぞれのζ電位と出力電圧が比例していることが示せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では、電気浸透流マイクロポンプを実現するにおいて必要な、物性値の計測方法とポンプ動作時の電位計測方法を確立したのが本年度達成内容となる。これにより、マイクロポンプの動作改善が可能となり、また、集積化する上での問題点を見つけることができた。更に、ポンプ動作に必要な物性値(表面電位)を測るセンサの開発も成功し、集積化前に物性値を実際に測ることを可能とした。また、表面電位センサを作製する上で、温度センサを応用した流量センサの作製も行い、実際に電気浸透流マイクロポンプの流れを温度センサを介して見ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の予定として、これまでに作製した高電圧生成回路と電気浸透流マイクロポンプをオンチップに集積したデバイスの実現を目指す。実際にζ電位計測センサで培った流量センサと過去の研究で作製した温度センサ・疑似ホットスポット用ヒーターを利用して、高電圧生成回路で駆動した電気浸透流マイクロポンプの性能を評価する。 また、オンチップ高電圧生成回路内蔵マイクロポンプの作製技術を利用して、本年度作製した、小型ζ電位計測センサの高性能化も図る。これは、現在のセンサでは反応時の電位変化がmV単位で、計測が難しくなっていた。そこで、オンチップに流量センサの出力を増幅させる回路を取り付け、用意に流量を計測できるようにする。
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