研究課題
特別研究員奨励費
本研究では,風力発電の導入拡大の障害となっている出力変動に関する問題および系統事故時における風力発電機の運転継続に関する問題に取り組んだ.その中で,今年度は,上記の出力変動に関して,次の課題の解決を目指した.(1)風力発電の出力平滑化を行う電力貯蔵装置の所要kWh容量・所要定格出力の決定方法の構築,(2)電力貯蔵装置の所要kWh容量および所要定格出力を低減化する制御器設計法の構築.上記(1)に関しては,制御工学において用いられる評価指標であるH∞ノルムを用いて所要kWh容量・所要定格出力を記述できることを明らかにした.当初の予定では所要kWh容量についてのみ決定方法を明らかにする予定であったが,研究の過程で所要定格出力に関してもH∞ノルムにより記述できることが明らかとなった.したがって,これまで試行錯誤的に決定されていた電力貯蔵装置のkWh容量や定格出力が体系的に算出可能となったため,予想以上の成果が得られたと言える.上記(2)に関しては,(1)で得られた結果を利用して所要kWh容量および所要定格出力を低減化する方法を以下に示すように2つ構築した.①数値最適化手法を用いた電力貯蔵装置の制御系フィルタ設計法②H∞制御による電力貯蔵装置の制御系設計法の制御器設計方法上述した成果の内,「風力発電の出力平滑化を行う電力貯蔵装置の所要kWh容量・所要定格出力の決定方法」および「数値最適化手法を用いた電力貯蔵装置の制御系フィルタ設計法」を論文としてIEEE Transactions on industrial Electronics に投稿し掲載された.また,「H∞制御による電力貯蔵装置の制御系設計法」に関して,研究開発レターとして電気学会論文誌.Bに投稿し掲載された.以上の結果から期待以上の成果が得られたと言える.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌)
巻: 137 号: 8 ページ: 596-597
10.1541/ieejpes.137.596
130005876218
IEEE Transactions on Industrial Electronics
巻: 65 号: 8 ページ: 6560-6570
10.1109/tie.2017.2688974