研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、日本の危機言語の1つである、琉球沖永良部語の言語生態系(言語が置かれている社会的状況)を把握し、その状況に適した言語復興研究を行うことである。今年度4月~6月は、出産と育児に伴う研究中断期間とした。それ以降の研究実施状況は以下の通りである。まず、言語生態系を明らかにする取り組みとして、沖永良部語の世代間継承の実態を、言語実験によって調査し、論文にまとめた。その上で、沖永良部語の衰退の背景にある社会的要因を、様々な年代へのインタビュー調査によって検討し、学会発表した。言語復興に向けた取り組みとして、地域住民と協働し、和泊町役場で方言研修会、国立国語研究所で「わどぅまい・しまむにプロジェクト」を開催した。沖永良部語の学習に利用できる教材を増やし、約1500語を収録した辞書アプリを公開した。「言語への目覚め(language awareness, 言語意識を喚起する運動」の一環として、言語復興についての一般向け講演を、大島連絡協議会や、文化庁主催「危機言語サミット」で行ったほか、地方新聞で島ことばに関する連載を続けた。このほか、言語復興活動が進んでいる地域での取り組みを調査するために、大学共同利用機構の「若手海外派遣プログラム」の助成を受け、ロンドン大学アジアアフリカ院(SOAS)に出向し、近年言語復興・言語普及が進んでいるマン島およびウェールズ地方の言語復興の現況を調査した。また、共同研究者と共にクラウドファンディングを実施・達成し、琉球諸語絵本の出版に向けた道筋をつけた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Proceedings of International Symposium Approaches to Endangered Languages in Japan and Northeast Asia - Poster Session
巻: 1 ページ: 73-81
奄美沖縄民間文芸学
巻: 16・17 ページ: 1-10
方言の研究
巻: 5 ページ: 353-375
巻: 6
島嶼研究
巻: 20(1) ページ: 71-83
130007911421
http://erabumuni.com
http://www.soc.hit-u.ac.jp/wakate/detail.cgi?ID=50&act_year=2017