研究課題
特別研究員奨励費
1. ダスト・ガス間の速度差を考慮したブラックホールへの降着過程採用第2年度から引き続き、ダスト・ガス間の速度差を考慮したブラックホールへの降着過程の数値計算を行った。本年度は、コードのバグ修正に加えて、以下の成果を新たに得た (バグの研究内容への影響は見られなかった):A. 10 micron と100 micron の赤外線のflux ratio を用いることで、ブラックホール周辺のダスト・ガス質量比が見積もることができること。B. ブラックホールの質量と降着率の関係性の解明。以下より、特にAについて詳細を書く。Aについて、Yajima et al. (2017) では、10 micron と100 micron のflux ratio とブラックホールの赤外線光度の間にタイトな関係性があることを示した。ただ、この結果は、ブラックホール周辺のダスト・ガス質量比がブラックホール遠方と比較して同一を仮定していた。申請者はダストに加わる輻射圧によって生じるダスト・ガス間の速度差を考慮する数値計算を引き続き行なった。計算の結果、10 micron と100 micron のflux ratio とブラックホールの赤外線光度の間に見られたタイトな関係性が崩れるだけでなく、ブラックホール周辺でのダスト・ガス質量比を観測的に見積もることができうることも示した。2. ダストの光電効果の銀河形成に与える影響指導教官の岡本崇氏が開発している銀河シミュレーションコードにダストの光電効果の影響を実装した。そして、国立天文台XC50を用いて、ダストの光電効果・光電離・輻射圧の影響を考慮した矮小銀河の数値計算を行った。計算の結果、ダストによる光電効果の矮小銀河への星形成の影響について、現在までに開発した計算コードではForbes et al. (2016) が示したほどの影響は見られなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 474 号: 2 ページ: 1935-1943
10.1093/mnras/stx2833