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戦後西ドイツにおける新左翼運動と政治文化

研究課題

研究課題/領域番号 17J04913
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 ヨーロッパ史・アメリカ史
研究機関東京大学

研究代表者

川崎 聡史  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードドイツ現代史 / 68年運動 / 西ドイツ / 社会運動 / 新左翼 / 学生運動
研究実績の概要

本研究では、これまで1960年代後半に盛り上がった社会全体に対する抗議運動である68年運動の西ドイツにおける展開とその余波を検討してきた。その中でも自治的な共同保育所運動であるキンダーラーデンとドイツ社会民主党青年部ユーゾーという2つの運動類型の70年代半ばまでの展開を追った。これらは、68年運動の重要な「後史」に属する。本研究の意義は、これらのローカルな活動に注目し、両者に共通する実践のあり方、およびその実践を正当化させたその時代特有の思考を明らかにしたことにある。
本研究では、68年運動以後に政治的な若者がその活動の対象をローカルなレベルに落とし込んだ展開を、「コミューン化/地方政治化」という概念を新たに用いて説明した。さらに、この展開を可能にした彼らの政治的思考に、「ポスト革命的理想主義」という概念を用いて検討した。これらの概念の内容とそれを生み出したダイナミズム、そして同時代的な意義を、史料による実証だけでなく、合理的な論理で説明することを試みた。
さらにキンダーラーデンとユーゾーが当時の社会全体の展開と持った関係を検討することで、狭い社会運動内部の独特のダイナミズムを明らかにするにとどまらず、より視野の広い考察を行った。両類型による「コミューン化/地方政治化」は、生活のあり方を自ら決めることを求める市民と、社会の様々な分野への介入強化を前提とする福祉国家制度の拡張と改革という国家機関による、生活の領域をめぐる争いの一部として説明した。社会主義による社会変革の重要性を強調する「ポスト革命的理想主義」は、戦後20年以上続いた未曾有の経済成長が終了し、これまでの政治・社会・経済の運営方法がうまくいかなくなるという不安の中で登場した。それは、社会主義という歴史ある見知った政治的な道具立てを用いることで、将来の不透明性を乗り越えることを目指した立場であったと説明した。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2019 実績報告書
  • 2018 実績報告書
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 1968年運動後のドイツ社会民主党青年部ユーゾーによる「反乱」 -フランクフルト・アム・マインを中心に-2020

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 雑誌名

      西洋史学

      巻: 269

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 市民、市民層、市民性2019

    • 著者名/発表者名
      マンフレート・ヘットリング著、平松英人監訳、川崎聡史訳
    • 雑誌名

      ヨーロッパ研究

      巻: 19 ページ: 17-33

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 社会主義ドイツ学生同盟(SDS)の対米認識の変容 ―1960 年代の西ベルリンを中心に―2017

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 雑誌名

      ヨーロッパ研究

      巻: 17 ページ: 17-28

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 68年運動以後の西ドイツにおけるローカルな政治的取り組み ーキンダーラーデンとユーゾーに注目してー2020

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      現代史研究会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 「68年運動」以後のユーゾーによる地方政治での取り組み2019

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      ドイツ現代史学会第42回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Die Jungsozialisten und die Kommunalpolitik2019

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      DESK-Workshop -Deutsche Zeitgeschichte“, Prof. Dr. Ulrich Herbert/Prof. Dr. Yuji Ishida
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 「68 年運動」以後のドイツ社会民主党青年組織ユーゾー -その地方政治での可能性-2019

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      2019年度九州史学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 西ドイツにおける学生の対米認識とその転換―1960年代の社会主義ドイツ学生同盟(SDS)に注目して─2018

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      第68回日本西洋史学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] Die Jungsozialisten nach der 68er-Bewegung -Eine Skizze der kommunalpolitischen Aktionen-2018

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Kawasaki
    • 学会等名
      Doktorandenkonferenz im Rahmen der 3. Ostasiatischen Zentrenkonferenz 2018 Seoul
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 1960 年代のドイツ人学生のアメリカ・イメージの変遷 -西ベルリンにおける社会主義ドイツ学生同盟(SDS)-2017

    • 著者名/発表者名
      川﨑聡史
    • 学会等名
      冷戦研究会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-05-25   更新日: 2024-03-26  

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