研究課題
特別研究員奨励費
ベラ科テンス類魚類各種の分類学的再検討を包括的に行い、内部形態の比較からIniistius 、Novaculops 、Xyrichthysの3属の有効性の再検討を行った。テンス属Iniistiusは、これまで近縁属であるテンスモドキ属Xyrichthysと背鰭起点の位置(前者の背鰭起点と目の後端との距離は眼径よりも短いのに対し、後者は眼径より長い)と背鰭第二、第三棘間の距離(前者の背鰭第二、第三棘間の距離は第三,第四棘間の距離よりも長い)によってのみ識別されてきたが、二属の太平洋産の標本の骨格の比較により,頭蓋骨の形状(IniistiusはXyrichthysと比べ頭蓋骨が大きく隆起する)と背鰭始部遊離神経間棘の配置(Iniistiusは第二、第三上神経骨間に背鰭始部遊離神経間棘を持たないが、Xyrichthysはもつ)によっても区別できることが明らかとなった。また、NovaculopsとXyrichthysはシノニム関係であることが明らかとなった。テンス属とテンスモドキ属については、2未記載種を新種として記載した。また、原記載以降形態に関する詳細な記録のなかったテンス属魚類を成長段階の異なる複数の標本を用いて記載した。さらに、フィリピンおよびオーストラリア西部から得られた未同定種は、頬部が幅広い鱗列に覆われ、体側に白色班をもつことから東部太平洋に幅広く分布するIniistius melanopusに酷似するが、I. melanopusに比べ上顎と吻が長いこと、両眼間隔が狭いこと、背鰭最終軟条が長いことなどから識別されることが分かった。これに関連して、これまで有効種とされてきたI. spilonotusは、タイプ標本および一般標本の調査によってI. melanopusの新参異名である可能性が高いと判明した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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