研究課題/領域番号 |
17J05587
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 夏紀 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2018年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2017年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ローカルレベルにおける移行期正義 / ルワンダ・ジェノサイド / ガチャチャ裁判の賠償 / 「現実的な和解」 / 移行期正義 / ガチャチャ裁判 / ローカルレベル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ルワンダ・ジェノサイド後の移行期正義が抱える課題と当事者の和解について、ローカルレベルでジェノサイドに関連する罪を裁いたガチャチャ裁判に焦点を当てて考察することである。そのための研究実施計画は以下の2点であった。(1)当事者の和解について現地調査で収集した情報と先行研究を突き合わせ、日本アフリカ学会で発表すること。(2)ルワンダのローカルレベルにおける移行期正義の課題を移行期正義研究に位置付け、日本国際政治学会で発表すること。
このような研究目的と実施計画に照らした本年度の実績は、計画通り2つの学会で成果を発表し、さらに査読付き論文1本を執筆したことである。以下、成果の具体的内容を述べる。まず日本アフリカ学会では、ガチャチャ裁判で審理されたジェノサイドの窃盗罪および器物損壊罪の賠償において被害者が用いる「赦す」、そして加害者が用いる「赦しを求める」というルワンダ語に着目し、これらの言葉が賠償の交渉に用いられる事例を発表した。次に日本国際政治学会では、ジェノサイド後の移行期正義の課題を発表した。具体的には、国家が扇動したジェノサイドの責任を、扇動され加担した個人が負っている事例を示した。さらに査読付き論文では、現地での聞き取りおよび閲覧した裁判記録をもとにガチャチャ裁判閉廷後の当事者の和解について考察した。
ガチャチャ裁判の先行研究には、当事者がいつかは心から赦し合えるという「道徳的な和解」を論じる研究と、ジェノサイド後の移行期正義が形骸化し当事者間の和解までには行き着かないと論じる研究がある。しかし申請者が現地で見てきたのは、同じ村に暮らすジェノサイドの当事者が互いに関係を断ち切らないよう見はからいながら賠償の交渉を行い、生活を営む実態である。このように関係を保とうとする当事者のやりとりから見えてくる実践を、「現実的な和解」と捉えた点に本研究の意義がある。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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