研究課題
特別研究員奨励費
1.動的光散乱法と高速原子間力顕微鏡法によるヒドロゲル微粒子の環境応答挙動の評価本研究の主な目的である、ヒドロゲル微粒子が外部環境変化に対して動的に応答する挙動に注目し、各種評価を行った。特に、動的光散乱法によりゲル微粒子の液中分散状態かつ平衡状態における流体力学的直径と、高速原子間力顕微鏡による動的かつナノスケールの可視化を組み合わせる事で、現象を多角的に評価した。昇温に伴い、ゲル微粒子の最大高さが温度変化に追従して減少していき、流体力学的直径の変化と類似した挙動を示した事から、ゲル微粒子個々の迅速な環境応答性を反映した結果が得られたと考えられる。この時、注目すべき点として、ゲル微粒子上に不均一な球状のドメイン構造が体積相転移温度以下から見られ、それらが微粒子が大きく脱水和する高温時においても存在し続ける事が明らかになった。本成果は、学術論文に掲載された。2.高速拍動機能を有する自律駆動ゲル微粒子の創製と振動挙動の評価従来の環境応答性ゲル微粒子とは異なり、微粒子内部で生起される周期的な酸化還元振動反応に応答し、自ら体積や集合状態を変化させるゲル微粒子の機能向上を検討した。従来の微粒子では、微粒子が脱水和し疎水的となる高温条件下では、微粒子間の不可逆的な凝集が生じ、反応温度に支配的な振動周期を短縮する事が困難であった。そこで、微粒子の分散安定性を向上させ、高温での振動反応を生起させるため、親水性のアクリルアミドモノマーを共重合し、微粒子の臨界凝集温度の観点から化学構造の最適化を行った。振動周期の温度依存性を調査した所、従来よりも高温において振動反応を生起させる事ができ、振動周期が大幅に短縮し、数秒オーダーでの振動反応を実現できた。更に、当微粒子を集積化させる事で、体積振動振幅を保持しながら、高速で拍動するマクロゲルを構築する事ができた。本成果は、学術論文として受理された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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