研究課題
特別研究員奨励費
平成31年度/令和元年度は、RNA編集とポリA付加の関係性について新たな知見を得た。これまでに、ミトコンドリアのccb2遺伝子、ccb3遺伝子のmRNAのC-to-U編集にRRD2が携わること、またこれらの遺伝子の機能不全シトクロムcの生合成に関わることから、rrd2変異体ではシトクロムc合成不全が生じていることを明らかにしていた。本年度は、rrd2変異体の表現型がミトコンドリア局在ポリAポリメラーゼAGS1の変異、ags1によって緩和することに注目し解析を行った。そうしたところ、rrd2ags1二重変異体ではRRD2の直接の標的と考えられるサイトにおけるRNA編集レベルは改善していなかったものの、rrd2変異体においてccb3遺伝子の多くのサイトにみられる不完全な編集レベルの低下が改善していることが見出された。また興味深いことにポリA分解に働くRRD1の変異体rrd1に関してもccb3遺伝子のRNA編集レベルが低下していること、シトクロムc量の減少がみられることがわかった。このことから、ポリA付加がccb3遺伝子のmRNAのRNA編集レベル低下を負に制御するメカニズムが存在することが示唆された。現在、ccb3遺伝子に特化した次世代シーケンス解析を行っており、これが完了すれば、RNA編集やポリA付加といったRNAプロセシングがccb3 mRNAが合成されてから分解するまでのどの段階でなされ、相互に影響を及ぼすのか明らかにすることができると考えられる。本年度は上記の他に、前年度までに明らかにしたROSを介した帯化側根の形成過程についてライブイメージング解析を行った。その結果、ROSが側根形成初期において原基辺縁細胞の分裂活性化を引き起こしている様子を捉えることができた。また、この過程が植物ホルモンのオーキシンの濃度勾配形成の変化を介さずに起きることを見出した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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