研究課題/領域番号 |
17J05786
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
後藤 渡 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2018年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2017年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | ジョルジュ・ペレック / フランス文学 / テレビ / 映画 / ラジオ / 集合的記憶 / 精神分析 / ペレック / ジャック・ルーボー / アダプテーション / 日常性 / 枕草子 / 清少納言 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き本年度は、メディアとペレックの作品のかかわりについての考察を進めた。研究のなかで、まずジョルジュ・ペレックがナレーションを担当したドキュメンタリー番組、『撮影された生活 1930-1934』(1976)を分析した。この番組は1930年代前半に撮影された一般家庭のホームムービーを編集したものである。そしてナレーションは作家自身の手により書かれ、作家によって読まれた。番組内での作家の語りは映像の内容について言及するものの、映像そのものに重きをおいているようにはみえない。そこで作家が何について語ったのかに着目した。作家はナレーションによって、映像のなかに視聴者の集合的記憶を呼び起こし、視聴者にとって何の関係もない映像に視聴者自身の記憶を見出させ、作家自身の願望とも呼べる虚構の記憶を映像に投影している。この記憶という主題は1970年以降の作家の創作活動の鍵となっている。さらに、この番組には、沈黙や「永遠のものと束の間のもの」、作家の創作において重要な二つの主題もあらわれている。記憶の投影、沈黙、「永遠のものと束の間のもの」、この三つの主題は『撮影された生活』の前後の作品でも登場するが、この番組のナレーション以前と以後では内容が大きく変化している。したがってこのテレビ番組の仕事が作家の作品のなかで蝶番として機能していると考えることが出来るだろう。ナレーションの分析によって、前年度に引き続きペレックの創作におけるメディア作品の重要性に焦点を当てることができた。この番組についての分析の成果は『早稲田大学文学研究科紀要』に掲載された。フランス国立図書館やジョルジュ・ペレック協会で収集した草稿、先行研究、書簡を参照し、メディア作品にみられる精神分析の痕跡、テクストの固有名にあらわれる映画俳優の影と小説の人物描写の関係について詳らかにしつつある。
|
現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|