研究課題/領域番号 |
17J06203
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物分子・生理科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 孝郁 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 構造生物学 / 植物 / 鉄イオンホメオスタシス / 液胞 / 金属イオン輸送体 |
研究実績の概要 |
全ての生物において、鉄イオンは様々な生命現象に関わる必須の補因子である。一方で、過剰な鉄イオンは細胞毒性を示すことが知られている。したがって、細胞内の鉄イオン濃度は厳密な制御を受けている。この制御は鉄イオンの空間的な隔離・貯蔵によって実行されている。植物細胞では、細胞小器官の液胞がこの役割を担うことが知られていた。液胞膜局在のトランスポーターVacuolar Iron Transporter 1(VIT1)は液胞内腔へと鉄イオンを輸送する因子として同定されたが、既知のトランスポーターと配列相同性を示さない事ため輸送機構や立体構造などを含む詳細な分子基盤は未知なままであった。本研究はVIT1の立体構造をX線結晶構造解析によって解明し、人工脂質小胞リポソームを用いたアッセイによりその分子基盤の解明を目指した。 幾つかのVIT1相同遺伝子から、ローズガム由来VIT1の全長構造を2つ、細胞質側に存在するドメイン構造を4つ、計6つの結晶構造を決定する事に成功した。VIT1は新規フォールドのトランスポーターであり、その構造は膜貫通ドメインと金属イオンが結合する細胞質ドメインによって構成されていた。膜貫通ドメインは親水性残基によって構成されたポケットがあり、結晶構造解析とリポソーム解析から基質金属イオンの通り道であることや輸送時にH+と共役する機構を解明した。H+との共役は液胞内外の環境に適するものである。また、細胞質ドメインは輸送基質を捕捉し、膜貫通ドメインによる輸送を補助する機構を解明した。 本研究によって、VIT1が植物細胞において効率的に金属イオンを獲得する分子基盤の解明に成功した。本研究はVIT1の詳細を解明した世界初の研究であり、現在この研究を基に更なるVIT1の研究が報告されつつある。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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