研究課題
特別研究員奨励費
未来思考においては,将来実際に経験すると思える出来事のイメージが求められる。したがって,将来起こることがおよそ確定している物事をうまく取り込みながらイメージ表象を作り上げる必要がある。昨年度,考えるべきことが自発的に頭に浮かんでくるような仕組み(展望記憶的なシステム)が未来思考中に作動していることを示した研究を論文としてまとめたが,本年度はその後続の実験を行ったが,未だ実験手続きの改良が必要である。また,うつ病や不安症などの精神疾患で,未来思考をし始める際に,どのような神経活動が生じているのかを検討するため,身体及び思考の方向性(過去/未来,ポジティブ/ネガティブ)に着目した脳波実験を実施し,事象関連電位を分析したところ,抑うつ傾向の高い個人は未来よりも過去を示す情報に対して強いN400振幅を示すことが明らかになった。 これは,具象性を反映した振幅と考えられ,抑うつ傾向の高い個人は過去を示す情報からイメージが喚起されやすく,未来を示す情報からは比較的イメージが喚起されにくいという可能性が示唆された。この研究は論文として投稿され,学術雑誌に掲載された。解剖学的制約に基づいた計算論モデルを用いて,うつ病に見られる未来思考機能低下と未来思考における展望記憶的処理機能の低下の関連を検討する研究についても,海外の共同研究者の協力を得て実施しているが,未だモデルを作成中である。これについては,今後もモデルの完成を目指して研究を継続していく。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Brain Research
巻: 1719 ページ: 148-156
10.1016/j.brainres.2019.05.041
Frontiers in Psychology,
巻: 10, ページ: 625-625
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児童心理学の進歩
巻: 印刷中
http://web.flet.keio.ac.jp/~umeda/