研究課題
特別研究員奨励費
今年度は,記号の意味理解・意図共有に関する神経活動の解析結果として,1.局所同期の指標である振幅では,記号呈示時の方が格子点呈示時よりもアルファ帯やガンマ帯,そして頭頂部で有意に大きいことがわかった.2.長距離同期の指標である位相同期では,頭頂部と左前頭間の同期に成功群と失敗群間で違いが見られている.これらの結果は,記号コミュニケーションの成立過程に関わる重要な神経活動の特徴を捉えることを達成したといえる.このため,現在執筆中であるジャーナル論文で発表予定である.加えて,本研究が対象とする記号コミュニケーションの発展的課題として,複数の記号を組み合わせた意図共有課題を共同研究で進めているところである.今後は前述したジャーナル論文を速やかに執筆・投稿する.また共創言語進化第四回領域全体会議にて,ポスター発表を行った結果,優秀賞を授与され,記号コミュニケーション課題を発展させた新たな課題やそれに関連したより身体性に依存したコミュニケーション課題の開発について共同研究として国際会議論文を報告している.加えて,複数の複雑ネットワーク指標を時系列で算出し,成功群・失敗群のそれぞれについて,記号受信直後のネットワーク特徴量のダイナミクスを観察できている一方で,当初目標としていたネットワークの二者間解析の結果は,これまでに論文などで報告できるまでに精緻化できていない.しかしながら,2つのネットワーク間の類似性の定量化は近年Network Neuroscienceの一研究対象として扱われるまでになっており,本研究では,類似性の定量化を複数の方法で検討・実装していることから今後の研究への発展が期待できるといえる.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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