研究課題/領域番号 |
17J06879
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小口 晃平 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2018年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2017年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ネオテニック / 幼若ホルモン / 脱皮ホルモン / 繁殖分業 / シロアリ / LCMS / 補充生殖虫 / 形態改変 |
研究実績の概要 |
今年度は、繁殖虫であるネオテニック分化時の生理変化に着目し、詳細な解析を行なった。特に、液体クロマトグラフ質量分析器を用い、ネオテニック分化途中の個体のヘモリンフから幼若ホルモンの濃度変化を測定することに成功した。同時に、リアルタイム定量PCRを用い、ホルモンの下流で働く各種シグナル伝達因子の発現動態を解析した。その結果、ネオテニック分化時には、幼若ホルモンの下流因子が一時的に低下するが、その動態と拮抗的に働く脱皮ホルモン下流の遺伝子を特定した。ネオテニックでは、繁殖器官である生殖腺や腹板の形態が劇的に変化するが、それらの部位において、この遺伝子は顕著に高発現する傾向を示した。さらにRNAi法による遺伝子機能解析を行うと、ネオテニック特異的な形態改変が阻害される傾向にあった。上記の解析により、ネオテニック分化に重要な生理変化を詳細に解析することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
繁殖虫分化制御において重要な生理変化を詳細に解析する必要があり、その解析に計画していた以上に時間を要したため、生理変化の上流において、個体間相互作用による環境入力とを統合する因子を見出す次なるステップへと進む準備が遅れた。本年度中に次世代シークエンサー(NGS)を使用した網羅的遺伝子発現解析の準備に取り掛かっており、次年度すぐにNGSを用いた解析手法を行うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
シロアリのコロニー内で繁殖虫とワーカーの個体間コミュニケーションが内分泌環境が変化するまでには、脳などの中枢神経において個体の存在情報情報が統合され、内分泌改変司令を送る過程を経ることが予想される。どのような分子機構を介し内分泌環境の改変をもたらすか明らかにするために、内分泌環境が変化しカースト分化運命が決定する時期で触覚や中枢神経の網羅的遺伝子発現解析を行う予定である。これまでの研究により明らかとなった繁殖虫の存在に応じ内分泌環境が変化するタイムスケジュールを基に、ワーカーの脳や触覚を摘出し全RNAを抽出を行っており、今後次世代シークエンサー(NGS)を使用し、全トランスクリプトの配列情報と発現量を決定する。得られたデータをもとに、バイオインフォマティクス解析により 雌または雄繁殖虫の存在に応じた発現変動を比較し、繁殖虫分化制御に重要な遺伝子を明らかする。雌雄の繁殖虫の存在に応じ発現変動する各遺伝子は、定量PCR により発現変動を詳細に調べるとともに、候補を絞りRNAiによる機能解析を行い,繁殖虫特異的な形態や行動に与える影響を評価する予定である。
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