研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、明治期の中央政界における対外硬派・進歩党系勢力の動向について、犬養毅の政治動向・政策構想に注目して明らかにした論文を発表した。また史料調査についても、1~2年度目と同様、岡山県のみならず関西・関東地方の資料館・文書館を中心に継続的に進めた。具体的な研究成果と実施した調査は、以下の通りである。まず「日清戦後の対外硬派」(『日本史研究』685号、2019年)は、京都府京丹後市教育委員会所蔵「稲葉家文書」に含まれる新出史料「大手倶楽部報告」を用いて、日清戦後に対外硬派勢力が薩摩閥の元老・松方正義に政治的に接近していく過程を明らかにした。この成果も踏まえ、「犬養毅の対外論」(瀧口剛編『近現代東アジアの地域秩序と日本』大阪大学出版会、2020年)では、明治中期における犬養毅の対外論に着目して、犬養の国家構想が北清事変期に「支那保全」=貿易立国構想として整理されていくことを解明した。このように、本年度は、当初の研究計画通り、中央政界における犬養・対外硬派勢力に関する分析を進め、2本の学術論文を発表することができた。この2論文を準備する過程では、内務省研究会、大阪大学政治史研究会、第四回東アジア日本研究者協議会国際学術大会など、複数の学会・研究会で口頭報告をおこなった。そうした場で明確となった課題を克服するべく、史料調査を継続しておこなった。具体的には、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センターや岡山県立記録資料館、岡山県立図書館、野崎家塩業歴史館で、犬養毅や犬養の政治的支援者、岡山県内の有力政治家の史料を閲覧・収集した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本史研究
巻: 第680号 ページ: 77-84
40021874065
史学雑誌
巻: 第128編第6号 ページ: 36-43
40021947627
巻: 第685号 ページ: 47-64
第12回国際学術会議 現代中国と東アジアの新環境―改革開放40年の歴史認識
巻: 上 ページ: 71-79
巻: 第126編第12号 ページ: 38-64
130007536112
ヒストリア
巻: 第265号 ページ: 211-240